とある介護の日々

認知症の祖母と二人暮らしの日常

緊張

母が美容師なので、婆ちゃんは2ヶ月に1度位で母に髪をセットしてもらう。メニューはカット、カラー、パーマのフルセットで、三時間はかかる一大行事となる。今日はその美容行事の日である。

因みに母と婆ちゃんは、いわゆる嫁姑の間柄で、世間でよくあるピリッと辛味の効いた関係である。

不思議なことに、私との会話はボンヤリしている事がほとんどの婆ちゃんが、母との会話はしっかりしていることが多い。

苦手な人である事が、適度な緊張となり、脳に良い刺激となるのだろうか…
妙薬口に苦し?毒が薬に?
人間ってホント不思議だと、つくづく思う。

また三時間以上の大仕事で、ぐったり疲れているはずなのに、綺麗なヘアスタイルに整えた後の婆ちゃんはご機嫌だ。優雅な微笑みをたたえていらっしゃるのだ。
身だしなみも、1つの魔法なのだと思う。

息抜き

f:id:c-kuroume:20161103002709j:plain 今日は婆ちゃんがリハビリに行ってる間に、素敵なお店でランチ。あぁ、幸せ。

同居以来、食事の支度は私の日課だが、婆ちゃんの好む食事は当然、「柔らかめの和食」。
たまには私だって、パスタが食べたいのだ~!

一応婆ちゃんは、ラーメンや焼ソバは喜んで食べる。麺類が基本好きなのだと思う。パスタ以外は。

なので今日は、久しぶりの、にんにくたっぷりきかせたパスタ‼
幸せをかみしめる午後であった。

はじまり

私はアラフォー独身女。今年の6月から認知症の祖母と二人暮らしをしている。

祖母は88歳。祖父が死んでから17年、気丈に独り暮らしをしていたが、去年末に認知症と診断された。最初はごく軽い症状だったが、今年の4月からはどんどん悪化。ADLは自立しているが、誰かの声かけがなければ、ほとんど1日中ベッドで寝ている状態となってしまった。

施設に入れるには介護度も低く、何より自宅をこよなく愛してきた祖母である。私が同居して日常生活を手伝うことで、少しでも長く自宅生活を続けてもらえればと思う。…もちろん、私も仕事をしているので、あまりに認知症が進行してしまうと、この同居生活も終わる日が来てしまうのだが…。

とにもかくにも、私と「婆ちゃん」の日々はスタートしたのだった。