とある介護の日々

認知症の祖母と二人暮らしの日常

入れ歯パニック

今朝、婆ちゃんは朝食を前にして、一向に動かない。早く片付けをして出勤したい私はイライラがつのる。

「婆ちゃん、早く食べて!」

何度も声かけするが、じとーっとテレビをにらんだままである。

15分位して、ようやく食べ始めたと思ったら、「痛くて食べられん」と箸を投げ出した。

何かと思うと、歯を押さえている。婆ちゃんは上が完全な入れ歯で、下は3本残った歯に引っ掛けるタイプの入れ歯である。

よく見ると、下の入れ歯がおかしな形で浮いており、きちんとはまっていない。こんなことは初めてなので、きちんとはめ直すように言う。

婆ちゃんは何度も入れ歯をはめ直すが、元々うまく合ってない入れ歯だったので、下の歯を懸命に入れようとすると、先にはめたはずの上の歯が落ちてきて、口に入れた手を入れ歯に挟まれてしまう。

いやマジで、その様はおかしくて思わず爆笑してしまった。

しかし、現実問題は深刻である。歯が入らない→朝食食べない→朝食後の認知症の薬飲めない→今日のデイサービスの食事も食べれない。
て言うか、このままではわたしが出勤できない~!

私は意を決して婆ちゃんの入れ歯をはめるのを手伝った。ところが、下の入れ歯を引っ掛けるはずの残った歯が、ありえない方向にぐらりと傾いている。それも、無理に引っ掛けようとすると痛いと言う。これはお手上げだ‼

至急歯医者に連れて行きたいが、私は今日は休めない。父と叔母に電話した結果、後で叔母が歯医者に連れて行ってくれることに。

朝食はご飯だけお茶漬けにして、入れ歯なしで食べてもらうことに 。デイサービスとケアマネさんにも今日はお休みの連絡を入れる。

そして大慌てで食卓を片付けて洗い物を済ませて家を飛び出た。

なんて、なんて、歯は大事なんだろう!

心から痛感した朝の事件簿でした。